初日と2日目で使った劇場のスピーカーを全部借りてサーカステントに持ち込みました。それでも360度のオーディエンスをカバーするのは不可能なので、きっとサーカステントでのPAシステムがあるはずと思い、倉庫を見て回りました。
予想どおり使えそうなスピーカーを発見したので、中抜けや後方向けにそれらを使いました。その頃には、数々の問題を解決していく僕を、モンゴルの出演者達は"God of Sound"と呼ぶまでになりました(笑)。
本番はかなり盛り上がり、出演者全員でビートルズの曲や最後に"We Are The World"をセッション。イベントの終わりが見えてきて、この数日間のモンゴルでの大変だった日々を思い出しながら感慨に浸っていると、僕は変な話、「このまま帰りの飛行機が落ちても悔いはない」と思えるくらいまでの達成感に満たされました。
すると突然音が途切れたんです!「何だ?」と思ったらPA電源が落ちたのです。お客さんが足を引っ掛けて電源が抜けてしまいました(笑)。「電源のジョイントを作ったらガムテープで止めとけよ!」って話ですが、もしかしたらこれは「KMD!!まだまだこれから学ぶことは色々とあるんだよ」という神様の戒めだったのかもしれませんね。
確かに、あれから30年近くの年月が経ち、より最幸なコンサートを体験している自分がここにいます。そして、この先の未来もそうだと思います。
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