今回は、コンサート本番前の精神状態について話します。

今は大体の現場では緊張しなくなりましたが、初めてのさいたまスーパーアリーナや横浜アリーナなどの大きな会場は緊張したのを覚えています。フェーダ操作もそうですが、SEのボタンを押す瞬間はやっぱり手が震えていました。「PLAYボタンじゃなくてSTOPボタン押しちゃったらどうしよう?」みたいな感じで「あ、俺、震えてる?」って思いながら(笑)。

本番に向けて「どうやって、いい精神状態にもっていくか?」

やっぱり集中力が大切なんです。僕は音楽大学でミキシングを教えていますが、テストで学生がミキシングしていると、普段見せないような後ろ姿になる生徒がいます。本番に「やるぞ!」っていう集中力が体に現れるんですね。そういうことがわかっている人は、自分の精神状態をON/OFFし、ここ一番で集中することが出来るんだと思います。逆にOFFの時には「ぼけー」っとしている状態を作ることもすごく大事なことだと思うんです。

で、コンサート本番時にONにするためには、やはり健康状態を良好にしないといけない。僕はコンサートツアー時は健康状態をすごく気にしています。当たり前ですが飲みすぎない! 二日酔いの状態でコンサート現場に行くっていうのはだめです。といっても、僕も20代の頃はやってたんですけどね(笑)。 その頃はノリで「コンサートツアーだ!」、「ロックンロールだ!」みたいなこともありました。そのような心の開放状態も若い時はよかったかもしれないけど、歳を取ってくると、いかに正確にやるか。そのためには健康でいることが大事なんです。

朝、現場入りした時の「おはようございます!」から、終わった時の「お疲れ様でした!」まで、何1つ間違いなくその日を過ごしたいという思いなんです。まずはこの現場で一番偉い人から挨拶して行く。そういうところまで含めてね。

そうは言っても当たり前ですが、人はそれぞれの悩みを抱えてるんです。それはお金のことかもしれないし、人間関係かもしれない。でも、いざ、コンサート本番になったら、それらの悩みを全部捨てられるか。そういうことなんです。気持ちをゼロにリセットし、コンサートだけに集中する精神状態を作ることが大事なんです。

正直、僕も悩んだ時期がたくさんありました。そこで出会ったのが…ヨガだったんです。「ん? 小松、大丈夫か?」と思う人がいるかもしれませんね(笑) 。でも大丈夫ですよー、次回に続きます！