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電源について
前回はケーブル、コネクター、ハンダについてでしたが、今回は電源について話します。
まず日本の電圧はAC100Vであるということ。海外はアメリカの115Vを始め電圧が220V~240Vなど電圧が高い国々がたくさんある中、日本は低い100Vを採用している国だということなんです。さらに交流100Vは常に100Vが供給されるという訳ではなく、環境や時間帯で100Vを下回る場合もあるわけで、音響面に対する電源の影響は無視することができない。 そこで出力電圧を変えることができるスライダックを用意し、電源電圧を100V、104V、106V、110Vと変えながら音の聞き比べをしたことがあったんですが、結果は106Vが一番いい音だったんですよ。
会社のスタジオを作るにあたってですが、街中だと例えば電子レンジ、冷蔵庫、ヘアードライヤーといった様々な機器からのノイズが飛び込んでくる訳で、でっかいキュービクル(変電所を通して送られてくる電気を100Vや200Vに降圧する設備)をクレーンを使って設置したり、スタジオ機器の電源系統を照明を始めとする他の機器系統とセパレートしたり、色々と費用がかかりました。そして現場では信濃電気。 信濃電気が発売するクリーン電源を個人的に買って106V/60Hzでコンソールを駆動した事もあります。テスターを使い出力電圧をチェックするのはもちろんのこと、忘れてはいけないのは電源位相です。コンサートの現場だと本当にたくさんの機材を使う訳で、全ての機材への供給電源の位相もちゃんと合わせる。そういった小さな積み重ねが結果に効いてくるわけです。
最後にもっと細かい話をしましょう。コネクターの接触面です。
キャノンコネクターのオスとメスは構造的な凸凹が組み合わさって接続する訳ですが、それって本当はどうなの? ということで、コネクター接触面をぐっとナノレベルまで拡大した写真を見てみるとびっくりしますよ。もうギザギザ(笑)。接触面がまったくくっついてないものもあったりします。
ナノの接点イメージ( ナノカーボン)
そこで僕が使ってるのはカーボンダイヤトニックという半永久接点導通剤で、これはカーボンをナノレベルまで小さくした粉末なんですが、スタジオのケーブルって一度刺したらそのまま抜かない箇所もあると思うんですが、そういう箇所のコネクター接触面にカーボンダイヤトニックを垂らすんです。 これで信号伝達効率が大幅に向上します。問題は頻繁に結線する箇所。そういうところは抜くたびにホコリが付着してしまうので注意が必要です。怖い話ですが、ライブハウスの中にはコネクターのところにホコリが積み上がっているところも見かけますしね(笑)。カーボンダイヤトニック、試しに使ってみることをお勧めします。音が変わります。 でも、最終的にナノレベルの差異まで聴き分けることのできる「人間の耳はすごいよな」と改めて思うんです。
小松 ” K.M.D ” 久明 プロフィール
1984年(財)ヤマハ音楽振興会入社。 LINE UP、久松史奈、西村由紀江、谷口崇、Sound Scheduleのハウスミキシングエンジニアを担当。 1997年(有)Oasis Sound Design Inc 設立。 石野真子、大黒摩季、昆 夏美、河村隆一、手蔦葵、吉澤嘉代子、良知 真次、AUTRIBE、BAROQUE、INORAN、DIAURA,Muddy Apes、LUNA SEA、Sound Schedule、Tourbillon、SHAZNA、彩冷える、オーロラタクト、石井一孝のコンサートミキシングを手がける。 HP : https://www.kmd2017.com